2013年7月2日火曜日

米国の裏の姿とは

昨日、BBC(英国放送)を見ていたところ、米NSA(国家安全保障局)がEU連合の施設で盗聴や電子メールの傍受を行っていることをドイツの週刊誌が暴露したことを知った。これに対してEUは米国に対して激怒しており、即座の説明を求めているようである。

このニュースにを見て、1995年、日本が米国のカンター通商代表と行った日米貿易交渉の際に、当時の橋本通産相の電話がCIAに盗聴されていたことを思い出した。当時、若かりし時の私は、そのアメリカのアンフェアーな手法に憤慨した記憶がある。しかし、今回のニュースを聞いても特に驚かなかった。残念であるが国際政治の世界とは汚くそして残酷なものなのであろう。恐らくこれらの盗聴による情報収集はアメリカの常套手段であると思われる。

少し話はそれるが、年末に一時帰国した際に日本から持ってきた本がある。元外務省国際局長の孫崎享が著した『戦後史の正体』である。この本によると、戦後、対米追随を行わない『自主派』の首相は短期政権に終わっているという。そこには米国による圧力や裏工作が存在していたようだ。検察特捜部と報道が巧みに利用され、『自主派』の首相が引きずり降ろされている。

その本によると、田中角栄が失脚した理由は日中関係にあったようだ。米国と中国の間で、国交正常化が進まない中で、角栄は1972年9月に『日中国交正常化』を成立させた。その前月にキッシンジャーと角栄はハワイで会談を行い、キッシンジャーは角栄に『日中正常化を延期してほしい』と依頼したらしいが、角栄はその依頼を一蹴した為、米国の恨みをかったという。ロッキード事件で田中角栄が失脚したのは皆が知るところである。

日本人の多くの国民は戦後より、米国を同盟国であると思って疑わないことが多い。ある意味では事実であるが、しかし、冷戦が終焉した1992年頃にはCIAは日本の経済力を“米国の敵”とみなし、対日工作を大々的に行っている。1995年、当時の橋本通産相の電話がCIAに盗聴されていたのはその延長線にある出来事であろう。現在でも、アメリカはあらゆる情報網とリソースを利用して、自国が有利になるべく、日本に圧力や裏工作を続けているようである。

また、日本の経済がここまで低迷した理由は、複合的な要素によるものの、米国の戦略が大きく影響したことも否めないだろう。85年のプラザ合意しかり、91年のBIS規制しかりである。これにより、日本の製造業と、銀行は大打撃を受けた。これらの戦略により、長年に渡り、日本の経済が停滞し、日本を敵対視する意味合いが薄れた。更に中国という新たなライバルが出現したおかげで、日米間での対立が緩和し、米国と日本の軍事同盟関係は維持されているのだから皮肉なものである。

アメリカとは歴史的に敵と味方を入れ替えている国である。イラクのサダム・フセイン、リビアのカダフィー、オサマ・ビン・ラディン然りである。彼らは米国との蜜月時代を築いていた時期もあったが、米国の意向に背くと敵対関係に変化していった。一方で、嘗て戦争を交えたベトナムとは現在、良好な関係を構築している。冷戦が終焉した後、中国の台頭が無ければ、日米関係は大きく変化していたかもしれない。

それでは米国との関係は如何にするべきであろうか。現在、米国の経済はかつての勢いを見せないが、私は米国は必ず復活すると見ている。世界中の知が集まり、人口が増え続ける国である。アメリカを過小評価するのは危険である。従い、私はアメリカとの関係を、より強固にすべきであると思うが、一方で日本は国益に対してはもっと敏感になり、それを強固に守るべき姿勢を貫くべきであろう。『対米追随主義』でもあり『自主派』でもある。

その為には日本人はもっと国際的にならなければいけないし、もっと“したたか”になるべきではなかろうか。国際社会において、なかなか“したたか”になりきれない自らの反省も含めて、日本人に問いたい。

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