2013年10月21日月曜日

パリの思い出(日航と弁慶)

セーヌ川の夜景が一望できるレストラン『弁慶』。ここの鉄板焼きは格別である。料理、サービス共全ての面で細かい配慮が行き届いている。シェフは全て日本人であり、ウェイトレスやウェイターも多くの日本人が従事している。週末ということもあり、リラックスしたフランス人の多くの家族やカップルが集まっていた。

鉄板焼きはブランデーを使って、炎を高く上げたりはするものの、アメリカのBenihanaのような、包丁で鉄板を奏でるようなエンターテイメントの要素は少ない。落ち着いている雰囲気であり、正真正銘の日本の空間がそこにある。

チュニジアから来たお上りさんの私にとってセーヌ川の夜景は眩しい。しかし、年老いた両親と共に海外でこのように食事をする機会は貴重である。1週間ほど、チュニジアに滞在した両親と、日本のビールと鉄板焼きを堪能しながら、次の日の別れを惜しんだ。

実は、この弁慶には10年以上も前に妻と幼少の娘と訪問したことがある。パリ旅行滞在中のせめて一回は高級なレストランに行こうと決めており、フランス料理でなく弁慶を選んだ。和食がないと生きていけない私の我がままを聞いてもらったことになる。パリに出張していた義理の姉も参加した賑やかな思い出である。

現在、この弁慶はノボテルホテル内にあるが、かつては日航ホテルにあった。料理人によると、2002年に日航がノボテルにこのホテルを売却したという。この頃は日航の経営が傾き、ホテル等のノンコアビジネスの資産を売却していた。パリの日航ホテルは日航のスチュワーデスの常宿となっていた華やかな場所でもあった。

このような思いでもあり、私にとっては弁慶とかつての日航が重なって見える。おもてなしのサービスをするという共通の場所でもある。

振り返れば、かつての日航のサービスは他社と比較しても格別であった。海外出張後にJAL便に乗ったときのほっとした気持ちが今でも忘れられない。JALのグローバル会員になるために必死でマイレージを集めていたのが懐かしい。

現在、日本航空は再上場し、再び成長するべく目論んでいるようである。しかし、LCC等との競争もあり、益々のコストの削減が必須となるだろう。人件費のみならず、エアバスに調達先を分散化したのもその一環と思われる。

パリ、弁慶、そして日本航空と懐かしい思い出である。本日は、両親と共に再び、思い出の場所に来れたことに感謝している。

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