イスタンブール新市街の中心地であるタクスィム広場。現在、ここにはクリスマスツリーが飾られ、そのイルミネーションが煌々と輝いている。
金曜日の本日、夕刻時にその広場を横切ろうとした時のこと。警察隊が数十人単位で配備されている姿が見えた。明らかに重々しい雰囲気であり、異常事態であることを悟った。
その警察隊を迂回するように、広場から大通りに向かおうとしたところ、大通りにはデモ隊のような人々が見られ、救急車らしき車が数台止まっていた。 何が起きているか近くのトルコ人に聞いてみたところ、政治的なデモ隊と警察が衝突したという。少し遠方では、今まで見たこともないような青い花火がゆっくりと落下していた。近くではテレビ局のレポーターがカメラに向かって実況していた。事態は沈静化しつつあるようにも見えたが、私は家族に促されてホテルに戻ることにした。
ホテルでインターネットにアクセスし状況を確認する。アルジャジーラの情報によると、デモ隊は閣僚の汚職事件に対して抗議し、警察隊がその拡大を阻止する為にデモ隊を広場から駆逐したという。BBCの情報によると、その過程で催涙弾や、水が放たれたという。私が広場に訪問する少し前の出来事であると思われる。また、青い花火はデモ隊によって投げこまれたことを知る。
トルコではエルドアン政権の閣僚の数人が、建設事業を巡る汚職事件に関与したとして、閣僚の息子など80人以上が拘束されたことに対し、政権側が警察の幹部らを更迭するなど報復とみられる措置に出ており、政治の不安定化が懸念されているという。昨日、エルドアン政権がそれに終止符を打つべく、閣僚3人の辞職を発表したようだ。本日のデモはその汚職に対する抗議のようである。
2003年にエルドアン首相が就任して以降、イスラム教の伝統的価値観を重んじながら、経済発展が実現されてきた。しかし、今年6月にはその政治手法が強引だとして大規模な反政府デモが各地に広がるなど不満の声も上がっている。首相のイスラム化の動きに対して世俗主義による反発があるということであろう。
これらの動きを受けて本日、ドルに対してリラ安となったようだ。そういえば、本日の午後、両替場にて、昨日、205リラ/ドルだったTTBが、212リラ/ドルとなっていた。リラ安の理由が気になっていたが、本日の一連のニュースを知って納得である。
いずれにせよ、年末のトルコにて、これ以上、状況が悪化しないことを祈っている。
【参考資料】
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-25525923
http://www.aljazeera.com/news/europe/2013/12/lawmakers-resign-amid-turkey-fraud-scandal-201312271460679884.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131221/k10014015741000.html
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