ローマの住居から見える風景 (奥が大統領官邸と地中海) |
その丘を更に少し登るとローマ劇場の遺跡があり、少し離れたところには円形闘技場の遺跡がある。かつて、ローマ人が娯楽好きであった生活が容易に想像がつく。また、住宅近くには、小規模な貯水場も確保していたことから、ローマ人は公共浴場に行くのみならず、自宅にも浴槽があり、風呂好きな民族であったようだ。
そのローマ人の住居跡であるが、嘗ては、ローマ人のみならず、異なる民族も住んでいたという。そこにはポエニ人(ベルベル人とフェニキア人の融合)、ヴァンダル人、ビザンチン人が住み、侵攻した民族が破壊と建設を繰り返して、侵略した土地の上において歴史を塗り替えていった。
現在は観光地になっているそのローマ人の住居跡であるが、本日、そこに入ると、何処からともなく現れた年配の男が話しかけていた。その男によると、その住居跡には異なる文化のモザイク画が存在し、民族によって特徴が異なるという。その男の話が興味深かったので案内をお願いした。
ローマ時代のモザイク (ボリエールの別荘にて) |
そのモザイク画は土埃を被っていたが、案内人が水をかけてくれ、そのモザイク画の様子を見ることができた。
ローマのモザイク画は幾何学的な模様であり、その模様は動物や草花等の自然を対象とする模様が多いようだ。ローマ帝国BC44よりカルタゴの再建をおこない、その支配はヴァンダル人に倒される439年まで続いた。モザイク画はその間に建設された住居の床である。
ヴァンダル人のモザイク (卍の記号が記されている。) |
ビザンチン人のモザイク |
洞窟を出て更に進み、かつてのポエニ人の住宅の遺跡を案内してくれた。その住宅の面影は1か所しか見られないという。ローマ人は嘗てのポエニ人の街を徹底的に破壊し、その上に、新たな都市を構築したのは有名な話である。案内人によると、ポエニのモザイク画はローマのそれより約80cm下の断層に埋まっていたという。考古学者がポエニ人の住居を掘り起こした時は大発見であったに違いない。
ポエニ人の住居の跡(床のモザイク画) |
その後、丘を登り、草むらの中に進み、ローマ人、ビザンチン人のモザイク画が実際に土壌の上に存在する場所に連れて行ってくれた。
今後は丘を下り、ローマ人の住居を見た。そこは『ボリエールの別荘』といわれる屋敷の後であるが、列柱回廊や、中庭、床のモザイクが残っていた。モザイク画は動物や花や草、馬の絵柄が多かった。数々のローマ神の彫刻も残っていた。
購入したローマ時代の 本物?のコイン |
そして、その案内人はポケットから、幾つかのコインが取り出し、私に見せてくれた。全て異なる表記や形状のコインである。手に取って観察をしてみたがどのコインもくすんだ色をしており、殆どは形状がデフォルメしていたり、文字が読めなかったりする。しばらく、眺めてみたが、どう見ても本物にしか見えない。これらは案内人が大雨の後に見つけたコインであり、私に対して特別に売りたいという。
価格交渉の上、そのコインの一つを買った。くすんで見にくいが、嘗てのローマ帝国の皇帝と、その裏にはその皇帝が馬の乗った姿が映し出している。本物であれば、ローマ帝国時代の1600年前から2000年前のコインということになる。
コインを買い、子供の頃に玩具を買った気持ちになった。嘗てのローマ帝国の銅のコインである。ロマンを感じるには十分すぎるほど希少な玩具ではなかろうか。
【参考資料】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8D
http://en.wikipedia.org/wiki/Mosaic
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%84
ローマ時代のコイン、本物なら凄いね。
返信削除本物のコインの売買は禁止されているので、偽物ということにしましょう。
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