2013年1月12日土曜日

アフリカの通信事情について(1)

先日、一時帰国した際、日本のインターネット事情に感動した。特にブロードバンドのサービスレベルの高さとWIMAXとLTEの普及に関して目を見張った。日本に住んでいた時には有難みすら感じていなかったが、自宅のマンションのインターネットの速さに感激した。光ファイバーをマンションの住民全員で共有している形態となっているが、You Tube等の動画を見てもストレスを感じさせない。価格は管理費に含まれているが、確か1000円程度である。

私は日本で携帯電話を持っていない為、外出先で誰かとコンタクトする際に困ることがある。今回の帰国時には、幸運にも妻がWIMAXサービスに加入していた事により、外出する際はその端末を借りて、持参したIPadによりインターネットのアクセスやメールの利用が可能となった。地下で繫がらない事もあったが、それ以外はスピードも含めて満足であった。更に、外出先では、電車や駅で動画を見ていた人がいたのには驚いた。LTEを利用したサービスのようだ。既にNTTドコモの契約者は900万人を超えたという。日本における技術の進歩はすざまじい。まさに驚愕の事実である。

一方で、チュジニアは途上国の中では通信が発達している国であり、ITUが発行しているICT Indicatorsによると、2011年において固定ブロードバンドの契約者は54万人(人口約1000万人)存在しアフリカの中では普及率が高い。但し、日本と比べるとサービスのレベルは雲泥の差であり、インターネットでストレスを感じる事は多い。私は現在、Tunisia Telecomの8Mbps(※)のADSLサービスと、Orangeの3Gを利用した21.5Mpbs(※)の2種類のサービスと契約している。(※あくまでベストエフォートサービス。)ちなみに私の住んでいるアパートはチュニスの新興住宅地であり、新しいアパートが次々と建てられ、人口が急増している地区であるが、両方の契約とも、夜10時以降はYouTube等の動画はまず見られない。インターネットのアクセスも止まることが多々ある。恐らく住民で共有した利用した際に、帯域が十分足りないからであろう。

サブサハラの諸国においては更に状況は悪い。ほとんどのサブサハラ諸国はブロードバンドの普及率は数%に過ぎない。この数年は海底ケーブルのアクセスが改善し、多くの国において、国内のバックボーンの整備が進んだが、ラスト・ワンマイルアクセスの問題により、ブロードバンドの普及が進まない。多くの国でGSM(音声)の携帯は発展したが、ADSLや、3Gによるインターネットの浸透率は低いままでいる。

私はインターネットは、人々の情報アクセスの格差を解消する最もパワフルなツールと考えており、アフリカにおいてもあらゆる社会のレベルでインターネットが行き渡って欲しいと思っている。情報を入手したいという欲求は誰もが持っており、環境さえ整えばインターネットを利用するユーザーは増えるだろう。もともと、英語やフランス語を話す人口が多いので、情報収集能力も高いはずである。現在はアメリカやヨーロッパからの情報を得るのが主であるが、アフリカからの発信情報を世界中がアクセスする時代が早く来ればよいと心から思っている。
 

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