2013年2月10日日曜日

香妃園(特製鳥煮込みソバ)

六本木に『香妃園』という中華レストランがある。現在は、『瀬里奈』の近くにあるが、かつては六本木駅の近くの小さなビルにあった。昔の中華風の異国情緒が溢れる店であった。

実はこのレストランは両親が初めてデートしたところなので、子供の頃から家族で頻繁に訪れている。正確に言うと、私は母親のお腹の中にいるときから通っているので、その歴史は長く、愛着も深い。20年前位に駅前の『香妃園』が突如無くなったときにはショックであったが、数年後に、移転した店を発見した時にはほっとした記憶がある。夜遅くまで開店しており、その後も何かと理由をつけては訪れている店である。
 
この店といえば、有名な一品は『特製鳥煮込みソバ』である。土鍋で長時間において煮込まれた白湯のスープに、青菜と共に入っているソバは絶品である。ソバも“ラーメン”と“うどん”の中間のような触感で、スープと絶妙なコンビネーションを醸し出している。正直、この味は私にとっては中毒となっており、海外生活を始めてこの一品が食べられないのが辛い。
『特製鳥煮込みソバ』(香妃園)
 
子供の頃に母親にせがんで、この『特製鳥煮込みソバもどき』を家庭で作ってもらった事がある。プロの料理人でないとこの一品を作るのは難しいと思ったが、母親が似たような味をつくってくれて感動した。確か、麺は細いうどんを代用したと記憶している。
 
チュニジアに移住して、六本木には簡単に行けないが、『特製鳥煮込みソバ』は恋しい。どうしたものかと思っていたが、かつて実家で類似した一品を作ってもらったことを思い出し、結局、自分で挑戦することにした。ちなみに私はあまり料理は得意ではないが、インターネットのレシピ情報も得て、見よう見まねでやってみた。
 
チュニジアは野菜や肉の具材は豊富にあり、しかも安い。青菜の代わりのローメンレタス(1個)、玉ねぎ(1個)、ネギ(1本)、人参(1本)、葫(1個)で2TDN(110円位)である。鶏肉丸ごと一匹は5TDN(280円位)である。ガス代も安い。100平米のアパートで約1600円位/月であり、しかも火力は日本の台所と比べると強い。麺は日本で調達した『讃岐うどん』を代用した。


『特製鳥煮込みソバ』”もどき”??
Made in Tunisia
あまり細かい事は考えず、兎に角、具材を鍋にぶち込んでみた。鶏肉の解体の仕方が判らず、鶏肉一匹を丸ごと茹でていたが、鍋の大きさに対して肉の量が多すぎることに気づき、途中で肉の部分は食べてしまった。スープは長時間茹でてるうちに、色が段々変わっているのがわかる。煮込む事、約4時間。何回も塩を入れたり、味見をしたりして、ようやく『特製鳥煮込みソバ』の味に?なんとなく近くなってきた。結果は『C'est pas mal(悪くはないね。)』 であろうか。

本日(土曜日)のチュニスは雨であった。しかも寒かった。アンナハダがブルギバ通りにて大集会をするというので、外出はなるべく控え、日本を想いながら、料理をしてみた。料理は忍耐と片づけが要求されるので私にはあまり向いていない。しかし努力の甲斐あってか、子供の頃と同じく、『特製鳥煮込みソバもどき』で満腹である。特に望んでいるわけではないが、明日からはコラーゲンで肌がすべすべになるかもしれない。

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